Microsoft Azure Cloudでサーバー証明書を利用するには、Microsoft Azure Cloudサービスに .pfxファイル証明書をインポートする必要があります。そのため「ローカルコンピュータなどの作業マシンでCSRを作成、取得したSSLサーバ証明書をそのマシンで .pfxファイル証明書にエクスポートする」という準備手順が必要になります。
ほかにも、CloudならではのDNSへの理解と、いくつかの準備手順が必要ですので、以下を確認してからCSRを作成してください。
Microsoft Azureクラウドサービスはデフォルトでは {your_name}.cloudapp.net({your_name}は例)のホスト名を使います。
cloudapp.netドメインの所有者はMicrosoft Corporationですので、利用者が {your_name}.cloudapp.netのSSLサーバ証明書を取得することはできません(自己署名証明書の場合を除く)。
しかし、Microsoft Azureクラウドサービス利用者が所有する独自ドメイン名を使ってSSL証明書を取得し、その証明書をMicrosoft Azureクラウドサービスで利用することは可能です。
この場合、以下のような手順が必要になります。
※カスタムドメイン名そのものをCNAMEレコードとして設定することはできません。
カスタムドメイン・サブホスト名部分 | 付与されたクラウドサービスのホスト名 付与されたクラウドサービスのIPアドレス |
---|---|
www | {your_name}.cloudapp.net |
www | 123.456.789.012 |
※Aレコード設定を利用する場合は、IPアドレスでの指定だけが可能です。
カスタムドメイン・サブホスト名部分 カスタムドメインドメイン名 |
付与されたクラウドサービスのIPアドレス |
---|---|
www | 123.456.789.012 |
@ | 123.456.789.012 |
クラウドサービスに付与されたIPアドレスはスロットの展開を削除すると解放され、そのスロットへの以降の展開は異なるIPアドレスになります。
従って、クラウドサービスに付与されたホスト名(例:{your_name}.cloudapp.net)は固定でも、IPアドレス(例:123.456.789.012)は変化する可能性があります。
そのため、クラウドサービスのホスト名にはカスタムドメインのサブホスト名を使い、DNS設定のCNAMEレコードにクラウドサービスから付与されたホスト名(例:{your_name}.cloudapp.net)を設定するのがトラブルを起こさない方法といえます。
thumbprintとも呼ばれるfingerprint (拇印) は、サーバー証明書のハッシュ値です。
サーバー証明書に変更が加えられると、ハッシュ値も変わります。サーバー証明書に改竄が加えられていないことの確認にfingerprint (拇印) が使われます。
fingerprint (拇印) の取得は様々な方法で行えますが、最も簡単な方法は「openssl でfingerprint (拇印) を取得」ウィザードを利用することです。
テキストエディターでファイルを開き、全文をウィザードに貼り付けて「確認」ボタンをクリックすると、以下のような結果が表示されます。
この場合は、「SHA1」がアルゴリズム、「E1:5C:DD:95:BE:71:34:BE:6C:AE:93:36:64:06:70:CF:97:DF:2C:D5」が fingerprint (拇印) です。
まず、「opensslでPKCS7証明書の内容を確認する」ウィザードを利用て証明書の内容だけを抜き出します。
テキストエディターで.cerファイルを開き、全文を「opensslでPKCS7証明書の内容を確認する」ウィザードに貼り付けてください。
表示される、先頭の—–BEGIN CERTIFICATE—–から—–END CERTIFICATE—–が取得した証明書です(残りの部分は中間証明書とルート証明書です)。
証明書部分だけをコピーし、「openssl でfingerprint (拇印) を取得」ウィザードに貼り付けてください。
Microsoft AzureクラウドサービスでのSSL証明書の設定は以下の手順で行います。
「ローカルで .pfxファイル証明書を作成」する方法には以下のようなものがあります。使いやすい方法をご選択ください。
Microsoft 環境に組み込みのcertreqコマンドを利用してCSRと秘密鍵を作成し、取得した証明書で.pfxファイル証明書を作成する方法です。
詳しくはcertreqコマンドを使って .pfxファイル証明書を作成する方法を参照してください。
利用中のコンピュータでOpenSSLコマンドを使ってCSRを作成して取得した証明書で.pfx証明書を作成する方法です。
詳しくはOpenSSLを使って.pfxファイル証明書を作成する方法を参照してください。
以下の中から作業環境に合わせたページを参照し、作業コンピュータ上で .pfxファイル証明書の作成までを行ってください。
fingerprint (拇印) を取得し、.pfxファイル証明書がエクスポートできたら、Microsoft Azure Cloudでの証明書のインストールに進んでください。